Siamo gatti cremonesi ♪

ヴァイオリンの聖地クレモーナで弦楽器製作をしています。日々の生活を綴ります。

2007年11月

 今週は各教科の確認テストに追われた日々でした。昨年の確認テスト結果はそこそこ良かった気がするのですが、今回はあまり良くなかった気がします。まだ正確な点数は見ていないのですが、、、要勉強です。最悪だったのは数学。。。点数は訊いていないのですが、自分的にダメでした。昨年はほぼ満点だったのに、今年はたぶん5点くらい、、、。次回はがんばります。
 ちなみに私たちの学校では確認テストが前期と後期で約2回ずつ(教科による)あります。配点は10点満点で、日本のテストと違ってとてもシンプルです。問題数が少ないうえに2時間くらいかけてやります。
 また来週も他の教科の確認テストが待っているので、忙しいです。家の作業がなかなか進みません。。。言い訳。。。でも落第しないようにがんばります。
 イタリア語の確認テストは小論文のようなものを書きました。テーマはLa pena di morte (死刑)です。ちょうど歴史(この国ではイタリア語と歴史の授業が一緒に行われる)でCesare Beccaria (チェーザレ・ベッカリーア)《1700年代の啓蒙主義者で死刑反対を唱えた》についてやったので、彼の著書の一文をテーマに書きました。ヨーロッパではすでに死刑が廃止されているため、ヨーロッパ人からすると、まだ死刑を行っているアメリカ、日本、中国、アラブ諸国等に対しては、とても野蛮なことしている国という意識があるみたいです。一人の日本人として少し悲しいです。日本も早くヨーロッパに追いついてほしいです。Beccariaは死刑は社会に対して無益で、必要なものではない。そして死刑は国家の国民に対する殺人行為、死刑は社会に対して何も教えない。と言っています。
 私はかなり狭い範囲での意見しか書かなかったので、採点は微妙な気がしますが、イタリアで死刑について考えると、日本に居たときとは全然違う考えになりました。日本に居るとかなりマスメディアに影響されて、悲しむ遺族のことが一番で、死刑そのものについて深く考えることはなかったし、命に対して深く考えることがなかった気がします。日本はまだ法・裁判・刑罰(無期懲役刑の期間など)・捜査(冤罪など)・刑務所などの問題が沢山あるのでかなり難しいとは思いますが、国民全体が少し角度を変えて考えてほしいと思いました。
 

 来週ニスの授業の確認テスト(筆記)があるので昨日は少し、ニスについて復習しました。ヴァイオリンが白木で完成するとニス塗りに入るのですが、ニス塗りといっても沢山の方法があり複雑です。学校では、一般的にリウテリアで使われる樹脂やオイルなどについて学びます。

 まず始めに La preparazione (準備)として、木にある孔をふさぐため、染み込ませるため、そしてニスと木の層を分けるためにPreparazioneを塗ります。これもたくさん種類があります。このPreparazioneによってニスの仕上がりに差が出ます。良いpreparazione は木の持っている美しさを消さずにさらに際立たせます。そしてこのpreparazione とニスとの相性も大事です。Le preparazioni には主に、水ベース、アルコールベース、エッセンスベースのものになります。これらのベースに樹脂やエッセンシャルオイルなどが混ぜられます。Preparazione は木の保護のためやアンティーク仕上げのためなどで共鳴箱の中にも塗られることがあります。

 その後にSottofondo と呼ばれる下地を塗ります。下地は主に黄色、茶色で後に塗るニスの色によって変えます。この下地には、いろいろな種類の色素、たとえばサフランやクルクマ(ターメリック)と溶剤(水やアルコール:色素による)をあわせたもが使用されます。
 そして、ニスにもオイルニス、アルコールニスそしてミスト(オイルアルコールのミックス)。いろいろな樹脂、エッセンスや色素などが混ぜられます。樹脂、エッセンス、色素にはたくさんの種類があり、組み合わせや配合は無限です。樹脂などは天然のもののためクオリティーや産地によって出来上がるニスの質が大きく左右されます。実に奥が深いです。ニスは楽器の美しさだけでなく、音にも影響します。そのため私たちはニスに混ぜられる全ての素材について性質などよく知っておく必要があります。大変ですが興味深いです。

 今日は夕方早速、トッローネ祭に行ってきました。今年はチョコレート屋さんが多く出展していました。とても沢山の人々で賑っていました。今年は、サルデーニャのトッローネを二種類ほど買ってみました。家に帰って早速食べました。とてもおいしいかったです。中身はアーモンドのとくるみです。それにしても今日も寒かったです。
 一緒に行った愛猫は猫用バックの中で引きこもっていました。寒さからではなく臆病なので。。。かわいい我が子には行きがけに寄ったペットショップでおもちゃを購入しました。よくある棒の先に羽のフサフサが付いているやつです。当然中国製で少し心配。。。羽が妙にカラフルに染められているし。。。でも他にないので仕方ないです。なるべく口に入れないように遊んでます。それとヘアボールをお腹の中で溶かすペーストを買いました。スーパーで買ったものは試した結果効果は少しある気がするけど、毎日与えているのにもかかわらず、今朝ネコが毛玉を二回ほど吐いたので、他のものも試そうと思い、ペットショップに行ってみました。早速与えてみたところ、おいしそうになめました!!以前のものは最初餌に少し混ぜて与えたところ、ネコに感づかれ、食べてもらえませんでした。翌日から少しずつ慣らしたけど、今回のはネコのほうからすすんでなめていました。ちなみにメーカーはBayerです。価格は以前のフリスキーの二倍。。。効果があることを期待しています。

 今月17日、18日はクレモーナ名物のお菓子トッローネのお祭が街の中心で開催されます。年に一回のイベントなので、毎年私は首をなが~くして待っています。このお祭では、トッローネを中心にクレモーナ各地からお菓子屋さんなどが出店し、いろいろな名産品を販売したりします。普段は手に入れることが困難なお店のトッローネを見つけることができます。味見もたくさんできます。各お店それぞれ違う味や食感でいつもどれを買おうか迷ってしまいます。トッローネの他にはチョコレート、チョコレートドリンク(チョコラータ)やリキュールなども売っています。毎年トッローネで作られた大きなお菓子の家がドゥオーモ前にお目見えします。たくさんの人がお祭を見にきます。このお祭が明後日に迫っているので、私はかなり楽しみです。
 
 Torroneとは、卵白、蜂蜜そしてアーモンドで作られたお菓子です。伝統的なものの色は白くて、とても硬いです。ハンマーで叩いて、割って、計って、売っているお店もあります。やわらかいものも販売されています。私はこのやわらかいものの方がすきです。アーモンドの他にヘーゼルナッツやピスタチオ入りのものや、チョコレート味のものなど沢山の種類があります。クレモナにお立ち寄りの際はぜひご賞味ください。私が始めてTorroneを口にしたのは日本でした。東京の弦楽器フェアにてクレモナのブースから頂いてきたものでした。その時はあまりおいしいとは思わなかったのですが、クレモーナにきてスペラーリというお店のTorroncino(一口サイズでチョコレートがコーティングされたもの)を食べて以来はまってしまいました。クリスマスシーズンにはスーパーなどでも沢山販売されるため、ちょくちょく食べています。とても甘いけど、このあまさが魅力です。

 今日の午後は、先週に引き続きマエストロ・ジローニと共にネック作りです。私はヴァイオリンのネックを作っていて今日は La cassetta dei piroli e il dorso をデザインして、primo giro(渦巻きの一段目)をのこぎりで切るところまでやりました。それにしても学校ののこぎりの切れないこと、、、日本ののこぎりの切れ味をヨーロッパの人々にも伝えたい感じです。
今日マエストロが言った言葉で、”はらきり”という表現がありました。以前に学校以外のマエストロも言っていたのですが、”はらきり”はもはやイタリア日本語のようです。でもなんで”せっぷく”じゃないのかな??小学館 伊和中辞典にもちゃんと載っています。ちなみに私の好きな”柿”もイタリアでは” カーキCachi, Kachi o kaki ”でオリジナルは日本語らしい。イタリアの柿は売っいてる時点ですでに”トロトロ”に熟れています。なぜかというと、熟れる前は渋いらしい。でもこの熟れ熟れの柿が超おいし~です。また日本の柿のようなのもあります。どちらもおいしいです。今日もスーパーで買ってしまいました!4個で300円くらい。こちらに来た頃は何でこんな腐ってるの売っているのかな?誰が買うんだろう?と思っていました。。。
 

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