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コーラでシュワシュワ。コーラの酸の力を使い、弓の金属パーツを洗浄します。

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クオリティーの低い弓なので、いろいろと問題発見です。分解してみると作りが良く分かります。右上のネジ(マードレヴィーテ)は、ネジ山がいってしまっているので、交換します。写真中央一番下の黒い板は、ズリッタ(スライド)という部分で黒檀で出来ていて上に貝の板(写真中央下から2番目)が接着されます。この黒檀の部分は、機械で切り出した跡がそのまま残っており、仕事の粗さが分かります。写真右下から2番目は、アネッロ(リング)という半円の金属で、こちらは、アルパカという金属です。クオリティーの低い弓によく使われます。通常の弓には、シルバーかゴールドが使用されます。

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こちら(ナゼット)の穴は、毛束の先端と詰木を入れる空間(モルターザ)なのですが底の部分がネジ(マードレヴィーテ)の穴まで貫通しております。写真右下の部分も欠けております。木を接着し、新たにモルターザを作り直すのも可能ですが、修復代のほうが弓の価値を上回る気がします

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弓の先の部分。白い部分が割れております。この割れは、おそらく以前の張り替えで必要以上の力が加えられたためだと思われます。この白い部分は、プラスチックです。普通の弓は、カゼイン、骨、シルバー、ゴールドもしくは象牙です。クオリティーによります。白い部分の下には、薄い黒い層があります。こちらはおそらくファイバーだと思います。通常は黒檀を使います。

時間のあるときに、ちょこちょこっと直していきたいと思います。

修理や修復をやってみると分かるのですが、クオリティーが低い物の方が厄介。前にされたクオリティーの低い修理が原因で新たな修理が必要になることもしばしば。もともとがお安いものだと持ち主も修理にお金をかけたくないしという理由で、悪循環です。やはり、ある程度ちゃんと作られたものをお金をかけて買って、大事に使い、修理やメンテナンスにもそれに見合うお金をかけてあげて、先祖代々使っていって欲しいと思います。量産品が安く手軽に手に入ることは、良いことでもありますが、簡単に手に入るからすぐにゴミになってしまうのも良くないなと思います。使い捨て文化に疑問を感じます。